小児科医が減ってきています。産科とならび、小児科は医師のなり手が少ない診療科です。少子化が進むにともなって患者数が減ると考えられる小児科は、若手に敬遠されがちということもありますが、原因はそれだけではありません。
小児科では患者である小児がむずがったり、コミュニケーションをとるのが大変だったりで、診察する時間やスタッフが大人以上に必要となります。必然的に一人の患者に対するコストが大人に比べて高くなってしまいます。経営の視点で見ると、小児科は「利益が出ない」「採算がとりにくい」診療科となってしまうのです。複数の診療科を持つ中小の病院で小児科の閉鎖が多いのは、そうした経済論理によるものが少なくありません。
また、小児は夜間救急の診療が多いわりに、そのほとんどは軽度の症状と言われています。背景には親の子育てに対する不安があるものの、こうした受診行動は病院の小児救急の負担を増加させています。
幸い鎌倉には、志の高い小児科の先生が何人もいらっしゃって、小児医師不足が産科ほど「逼迫した事態」とはなっていません。鎌倉市の「小児医療費助成制度」は、小学校入学前までの入院、通院にかかる医療費の自己負担分を市が(つまりは税金ですが)負担してくれるため、小さい子を抱える家庭にとっては、比較的医療機関にかかりやすい環境と言えるかもしれません。また夜間や休日の急な病気では、医師会が運営する「休日夜間急患診療所」や、湘南鎌倉総合病院のお世話になったというご家庭も少なくないでしょう。
しかしながら一方で、不必要な受診や、軽度にもかかわらず夜間や救急での受診も多く、医療従事者に感謝することなく「サービスを受けて当然」という態度で診察を受けるファミリーが増えてきたという声も耳にします。いわゆる「コンビニ受診」です。子育て家族を支援しよう、大切にしようという世論の高まりをはき違えて、「子どもを産んで育てているんだから」と社会に過度に甘えている親が増えている気もします。
2013年現在、国の方針によって病院(入院病床のある医療機関)と診療所の役割分担が推進されています。これにともなって病院(200床以上)によっては、紹介状なしの外来診療には「初診にかかる料金」が、夜間や休日の診療には「選択療養加算」が加算されるところも出てきました。軽度の症状での救急利用を減らし、一人ひとりが「お薬手帳」や「かかりつけ医」などを利用して、普段からの健康管理や適正受診を求められるようになってきたのだと思います。
ここでは、皆さんが小児医療について理解する際に参考になるようなサイト、救急受診をするべきかどうかの見極めの参考になるサイトをご紹介します。こどもの病気や健康、医療制度について考え、小児救急の現場に過度の負担をかけないためにも、お読みいただきたいと思います。